当社の経鼻投与基盤技術は、
独自の粉末製剤技術と
投与デバイス技術からなる
Combination Technologyです
3D Nasal Cast Model
管理用
当社は、米国におけるトランスレーショナル リサーチ(TR)事業拡大を目的として、当社独自の経鼻製剤基盤技術(以下「本技術」)を応用した経鼻偏頭痛薬を開発するための米国開発会社"Satsuma Pharmaceuticals, Inc.以下「Satsuma 社」"を設立することを決定しましたのでお知らせします。
Satsuma社は、当社と本技術に関わるライセンス契約を締結し、その後、米国機関投資家から投資を受け、米国での市場規模が大きく患者ニーズに合致した経鼻偏頭痛薬(ジヒドロエルゴタミン、以下「DHE」)粉体製剤の商品化を目指します。すでにリードインベスター候補の機関投資家から出資に対する積極的な反応を得ています。Satsuma社は、DHEの臨床試験を通じてProof-of-Concept(概念実証)の確認を行った後、NASDAQ上場か、製薬企業へのライセンスアウトまたは一部株式売却による共同保有などを目指します。Satsumaでは、DHEに加えて、数本の経鼻製剤(粉体)の開発を行う計画です。
本技術はすでに複数の薬剤において、速やかで良好な薬剤吸収性が確認されております。特に、制吐剤として知られるグラニセトロン経鼻製剤の第II相臨床試験においては、ヒトにおける有効性が明らかに認められております。また、今回のDHEについては、すでにサルにおける前臨床試験において、速やかで良好な吸収性が確認されています。
米国では全人口の10%に相当する約2,800万人が偏頭痛に苦しんでおり、米国の偏頭痛薬市場は2011年の時点で約3,000億円にも及びます。本疾患は20 - 40歳代の若い年齢層に多いことが特徴で、日常生活の中で不安の種となる頭痛に速効する薬剤の開発が強く望まれております。DHEは、第一選択薬であるトリプタン製剤が効かない患者にも有効であることが分かっていますが、市販のDHE点鼻剤(水溶液)は、吸収速度が遅いために効果発現までに30分ほどかかり、また薬剤吸収がバラつき易く確実な臨床効果が得られにくいとされています。本技術を応用したDHE経鼻偏頭痛薬は、速やかで高い吸収が可能になるため、市場ニーズへの合致が大きく期待されます。
Satsuma社の設立は、すでに当社がTR事業の一環として創業し、現在は重要な投資先となっているWave Life Sciences Ltd.「以下、WaVe社」と同様なスキームに基づくものであります。当社は、Satsuma社をWaVe社に続くTR事業の成功事例として発展させていく計画です。